もっと寝ておくべきだった~睡眠不足と認知症リスクの深い関係~

睡眠

もっと寝ておくべきだった~睡眠と認知症~


はじめに

40代を迎えると、仕事や家庭、趣味などで毎日があっという間に過ぎてしまいます。
ついつい睡眠時間を削って、「まだ大丈夫」「休みの日にまとめて寝ればいい」と思っていませんか?

実はこの習慣、将来の健康に大きなリスクをもたらす可能性があります。近年の研究では、睡眠不足が認知症の発症リスクを高めることがわかってきました。

今回は「睡眠と認知症の関係」について、薬剤師としての知見と生活者の視点から分かりやすく解説します。


睡眠と認知症の関係

アルツハイマー型認知症の原因のひとつとして知られるのが、アミロイドβという老廃物です。
脳は眠っている間に「掃除」をしており、このアミロイドβも睡眠中に排出されやすいことが分かっています。

しかし、慢性的な睡眠不足が続くと、この老廃物が脳に蓄積してしまい、神経細胞を傷つけ、記憶障害などを引き起こす要因となるのです。

実際、睡眠時間が短い人は、十分に眠っている人に比べてアルツハイマー型認知症の発症リスクが高まるという研究報告もあります。

つまり「眠ること」は単なる休養ではなく、脳を健康に保つ重要なメンテナンス時間なのです。


どのくらいの睡眠が必要?

では、具体的にどのくらい眠ればよいのでしょうか?

  • 成人に推奨される睡眠時間は 7時間前後
  • 5時間以下の睡眠が続くと、脳への負担が増え、注意力の低下やミスの増加、記憶力の低下が目立つようになります。
  • 逆に、長すぎる睡眠(9時間以上)が続くことも、生活リズムの乱れや体調不良のサインである可能性があります。

大切なのは「質」と「安定性」。
毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きる「体内時計のリズム」を整えることが、健康的な睡眠の第一歩になります。


睡眠の質を高める4つのコツ

睡眠時間を確保するだけでなく、「質のよい睡眠」を取る工夫も欠かせません。すぐに実践できるポイントを紹介します。

① 就寝前のスマホ・PCを控える

スマホやPCの画面から発せられるブルーライトは、脳を覚醒させて眠気を妨げます。
少なくとも寝る1時間前から画面を見ない習慣を意識しましょう。

② 寝る前のカフェイン・アルコールは控える

コーヒーや緑茶などのカフェイン飲料は、眠気を抑える作用があります。午後の遅い時間以降は控えるのが無難です。
また「寝酒」としてアルコールを飲むと、入眠は早くても深い睡眠が妨げられます。

③ 朝の光を浴びる

朝、起きたらカーテンを開けて日光を浴びましょう。
体内時計がリセットされ、夜に自然と眠気が訪れるリズムが整います。

④ 軽いストレッチや深呼吸

寝る前に軽く体を伸ばしたり、深呼吸をすると副交感神経が働き、リラックス状態になりやすいです。
激しい運動は逆効果なので避けましょう。


睡眠不足がもたらす“今”のリスク

「認知症なんてまだ先の話」と思うかもしれません。
しかし、睡眠不足は将来だけでなく、
今の生活にも影響します。

  • 日中の強い眠気
  • 判断力の低下による仕事の効率ダウン
  • 感情のコントロールが難しくなり、イライラしやすくなる
  • 高血圧や糖尿病、肥満など生活習慣病のリスク上昇

つまり、睡眠不足は「ちょっと疲れる」程度では済まされないのです。


まとめ

睡眠は「明日のための休養」だけでなく、
10年後、20年後の脳と体の健康を守る投資です。

40代から生活習慣を整えることで、将来の認知症リスクを下げることができます。
「少し早く布団に入る」「寝る前にスマホを置く」など、できることから始めてみましょう。

健康な未来は、今夜の睡眠から作られます。


注意事項(免責)

この記事は薬剤師としての知識と経験に基づいた一般的な健康情報です。すべての方に当てはまるものではありません。
体調や睡眠に不安がある場合は、必ず医師・薬剤師など専門家にご相談ください。

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