血圧と運動|40代からの“きつくない”ウォーキング習慣と筋トレのコツ【薬剤師が解説】

予防習慣

まず結論

「血圧のために運動した方がいいのは分かっているけれど、きついのは続かない…」という40代以降の方には、“ゼーゼーしないウォーキング+軽い筋トレ”を習慣として続けることが現実的な選択肢です。1回ごとの運動量よりも、「週トータルでどれだけ体を動かせたか」が血圧ケアでは大事になります。

本記事では、血圧が気になる40代以降の方向けに、きつくないウォーキング習慣の作り方と、自宅でできる筋トレのコツを薬剤師の目線で解説します。

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POINT
「息が弾むけれど会話はできる」くらいのウォーキングを、週合計90〜150分を目安にする
週2〜3回の軽い筋トレを組み合わせると、血圧ケアだけでなく、将来のフレイル予防にもつながる
安静時の血圧がかなり高い・持病がある場合は、自己判断で運動量を増やさず、まず主治医に相談する
薬剤師みやび:減塩や薬の調整だけでは、血圧のコントロールに限界があるケースもあります。一方で、「昔の部活レベル」のきつい運動は、40代以降にはリスクにもなりえます。この記事では、“明日もまたやろうと思える強さ”の運動量にしぼってお話しします。継続が健康を生みます。

なぜ「きつくない運動」でも血圧に意味があるのか?

日本高血圧学会のガイドラインでも、有酸素運動(ウォーキングなど)と筋力トレーニングは、高血圧の予防・治療に役立つ生活習慣として位置づけられています。ただし、ポイントは「一時的に激しくやる」のではなく、中等度の運動をコツコツ続けることです。

また、厚生労働省の身体活動・運動に関する指針でも、座りっぱなしの時間を減らし、日常生活+運動で体を動かす時間を増やすことが、血圧を含めた生活習慣病の予防につながるとされています。
「冬になると血圧が上がりやすい」と感じる方は、こちらの解説もあわせてご覧ください:
冬だけ血圧が高いのはなぜ?薬剤師が教えるJSH2025準拠の安全対策と正しい測り方

体の中で何が?(ざっくりメカニズム)

ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を続けると、次のような変化が起こりやすくなります。

  • 血管のしなやかさ(動脈硬化の程度)が改善し、血液が流れやすくなる
  • 交感神経と副交感神経のバランスが整い、安静時の血圧と心拍数が少し下がりやすくなる
  • 体重・内臓脂肪・血糖値・脂質などが改善し、血圧にかかる負担がトータルで減る

一方で、瞬間的に力むような運動(いきなりの全力ダッシュ・息を止めての高重量筋トレなど)は、一時的に血圧を大きく上げてしまうことがあります。血圧が高めの方や40代以降では、「適度な有酸素運動+軽〜中等度の筋トレ」を中心にするのが安全です。

今日からできる「きつくない」ウォーキングと筋トレの始め方

ここでは、運動前(準備)・運動中・運動後の3つの場面で、具体的なポイントを整理します。すべてを一度に完璧にする必要はありません。まずは自分ができそうなところを1つ選ぶところから始めましょう。

  • 前:「今日運動して大丈夫か?」をチェックする
  • 中:きつすぎない強さで、フォームと呼吸を意識する
  • 後:クールダウンと、血圧・体調のセルフチェック

1. 運動を始める前のチェック(前)

  • 安静時の血圧を把握しておく
    ・家庭血圧計で、朝と就寝前に数日分の記録を取り、普段のおおよその値を知っておきます。
    「いつもより明らかに高い」「頭痛やめまいがする」ときは、その日の運動は控えるか、ゆっくり短時間にとどめるのがおすすめです。
    ・家庭血圧の具体的な測り方は、冬の血圧が高い理由は“測り方”にあった!薬剤師が教えるJSH2025準拠の家庭血圧の測り方で詳しく解説しています。
  • 足腰の痛み・体調をチェック
    ・膝や腰の痛みが強い日は、階段や坂道を避ける/時間を短くするなど無理をしないことが大切です。
    ・発熱・風邪症状・強い倦怠感があるときは、運動はお休みしてください。
  • ウォーミングアップを1〜3分だけでも
    ・その場での足踏み・肩まわし・ゆっくりとした屈伸などで、いきなり速く歩き始めないことがポイントです。

2. ウォーキング・筋トレ中のポイント(中)

  • 強さの目安は「会話ができる速さ」
    ・息が弾むが、短い会話なら続けられる程度が目安です。
    ・ペースを数字で表すなら、「自分の最大の7割くらい」のイメージで構いません。
  • 時間の目安は「10分×3セット」から
    ・いきなり30分連続ではなく、10分×3回(朝・昼・夜)などに分けても効果は期待できます。
    ・週合計で90〜150分を目指し、できる範囲で少しずつ増やしていきましょう。
  • 筋トレは「呼吸を止めない・限界まで追い込まない」
    ・スクワット・かかと上げ・壁腕立て伏せなど、自重で大きな筋肉を動かす種目がおすすめです。
    ・1種目につき10回前後×1〜2セットから始め、「あと2〜3回はできそう」くらいでやめておきます。
    ・息を止めて力むと血圧が一気に上がるため、「力を入れるときに息を吐く」ことを意識してください。

3. 運動後のクールダウンとセルフチェック(後)

  • 急に止まらず、1〜3分かけてペースダウン
    ・歩くスピードを徐々に落とし、最後に軽いストレッチをすると、心臓や血管への負担がやわらぎます。
  • 体調と脈の落ち方を確認
    ・「動悸が強く続く」「胸の痛み・息切れ・めまい・胸の圧迫感」がある場合は、その日の運動は中止し、必要に応じて医療機関を受診してください。
  • 気になる期間は、運動後の血圧もチェック
    ・血圧手帳に、「運動前/運動後」「その日の体調」をメモしておくと、自分にとって無理のない運動量の目安が見えてきます。
今日から続けやすくするためのアイテム例
・上腕式家庭血圧計
 ┗ 自宅で朝・就寝前・運動前後の血圧を数字で残せると、「この運動量は自分にとって安全か?」を判断しやすくなります。


・ウォーキング用シューズ・活動量計
 ┗ クッション性のあるシューズは膝・腰への負担を減らし、活動量計(歩数計・スマートウォッチなど)は「今日はここまで歩けた」という小さな達成感を積み重ねるのに役立ちます。

※リンク先は販売サイト(Amazon・楽天市場など)です。価格や在庫は日々変わる可能性があります。

選ぶときの要点:上腕式/見やすい表示/記録機能/クッション性のあるシューズ →
比較表:家庭用血圧計とウォーキングシューズの選び方(準備中)
チェックリスト(今日からできる運動習慣)
□ 1日合計10〜20分でもよいので、「歩く時間」を意識して増やしている
□ ウォーキングの強さは「会話ができる速さ」を目安にしている
□ 週2〜3日は、スクワットなどの軽い筋トレを取り入れている
□ 運動前後の体調や血圧の変化を、メモやアプリで簡単に記録している
□ 体調がすぐれない日・血圧がいつもより高い日は無理せず量を調整している

よくある勘違いと注意点

  • (誤解1)「運動はきついほど効果が高い」
    → 血圧が気になる年代では、「ややきつい手前」で止める方が安全です。ゼーゼーするまで追い込むよりも、少し物足りないくらいを長く続ける方が結果的にプラスになります。
  • (誤解2)「血圧が高い人は運動しない方がいい」
    → 医師から「安静が必要」と言われている場合を除き、適度な有酸素運動はむしろ推奨されることが多いです。ただし、運動を始める前に主治医に相談し、自分に合った強さや注意点を確認しておくことが大切です。
  • (誤解3)「休日にまとめてハードにやれば平日サボってもOK」
    → いわゆる「週末だけアスリート」のような運動の仕方は、ケガや心血管イベントのリスクが高くなる可能性があります。平日は通勤や買い物+10分ウォーキングなどで小分けにして動く方が安全です。
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まとめ

まとめ
1)血圧ケアのための運動は、「きつい運動をたまに」より「中等度の運動をコツコツ」が基本。
2)ウォーキングは「会話ができる速さ」で週合計90〜150分、筋トレは週2〜3回の軽い負荷から始める。
3)安静時血圧が高い・持病がある場合は、自己判断で運動量を増やさず主治医に相談しながら、安全な範囲で続けることが大切。
完璧なメニューよりも、「明日もできる」運動量を見つけることが、40代からの血圧ケアの近道です。
まず整えておきたいアイテム
1)上腕式家庭血圧計 — 自宅での血圧の変化(朝・就寝前・運動前後)を見える化でき、主治医への相談材料にもなります。
2)ウォーキング用シューズ・活動量計 — 膝・腰への負担を減らしつつ、歩数や運動時間を記録することで、「続けている実感」を持ちやすくなります。

※商品は一例です。ご自身の体調・生活スタイル・予算に合わせて比較・検討してください。

Q&A

Q1. 安静時の血圧が少し高めの日でも、運動して大丈夫?
(回答例)普段より少し高い程度で、頭痛・めまい・胸の痛み・強い息切れなどの症状がなければ、ウォーキングなどの軽い運動はむしろ推奨されることが多いです。ただし、上の血圧が180mmHg以上・下が110mmHg以上など明らかに高い場合や、症状を伴う場合は、その日の運動は控え、主治医に相談してください。

Q2. 仕事が忙しくて、まとまった時間が取れません…。
(回答例)30分まとめて歩けなくても、10分×3回に分けて合計時間を確保する形でも十分意味があります。例えば、通勤の一部を早歩きにする・昼休みに5〜10分だけ外を歩く・帰宅後に自宅の周りを一周する、など「生活のついでに+α」を足していくイメージでOKです。

出典

注意
本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、個別の診断・治療に代わるものではありません。
症状が続く・急激に悪化する場合や不安が強い場合は、自己判断で対応を続けず医療機関を受診してください。
商品・サービスの利用により得られる効果には個人差があります。

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