血圧とお酒|40代からの“やめないけど減らす”飲み方ガイド

予防習慣

まず結論

「お酒は好きだけど、血圧も気になる。いきなりゼロにはできない…」という方でも、飲み方と量を工夫することで、血圧への負担を減らすことはできます。ポイントは、「やめる・続ける」の二択ではなく、「やめないけれど、少しずつ減らす」発想に切り替えることです。

そのために、①自分の『飲み過ぎライン』を知ること②週単位での「飲む日・飲まない日」のバランスを整えること③飲んだ日の翌朝の血圧を家庭血圧計で確認することが大事になります。

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POINT
・お酒は「量」と「飲み方」次第で、血圧への影響が大きく変わる
・「やめないけど減らす」ために、週のトータル量休肝日を意識する
・高血圧や心臓・脳・肝臓の病気がある方、薬を飲んでいる方は、自己判断せず主治医と飲酒の可否・上限について相談
薬剤師みやび:薬局でも「お酒はやめられないんです…」という声はとても多いです。
私は、いきなりゼロを目指すよりも、「今日は1杯減らす」「週に1日は休肝日にする」といった現実的なステップを一緒に考えることが多いです。この記事も、「お酒を楽しみながら、血圧とのバランスを取る」ためのヒントとして読んでみてください。

なぜ起こる?

お酒(アルコール)は、飲む量が増えるほど高血圧になりやすいことが多くの研究で分かっています。一定量を超えて飲み続けると、収縮期血圧(上の血圧)・拡張期血圧(下の血圧)の両方が上がりやすくなり、脳卒中や心筋梗塞などのリスクも高まります。

一方で、飲酒量を減らすことで血圧が下がる人もいると報告されています。特に、もともと多量に飲んでいた方ほど、減酒による血圧低下の効果が大きいとされています。

厚生労働省の情報では、純アルコール量で1日あたりの「適度な飲酒」の目安が示されていますが、年齢・体格・性別・病気の有無・服用中の薬などによって「安全な範囲」は変わります。あくまで目安であり、血圧や合併症のある方はさらに控えめを意識する必要があると考えてください。

体の中で何が?

アルコールが体に入ると、最初は血管が広がって「ぽかぽか」したり、リラックスしたように感じることがあります。しかし、その後で

  • 交感神経(こうかんしんけい:体を活動モードにする神経)が高ぶる
  • 心拍数が増える
  • 睡眠の質が下がる(とくに深い眠りが減る)

といった変化が起こり、夜から翌朝にかけて血圧が上がりやすくなることが知られています。

また、飲酒により食欲が増して塩分・脂質の多いおつまみやシメのラーメンなどを取りやすいことも、血圧や体重増加に間接的な影響を与えます。お酒そのものだけでなく、「お酒がある日の生活全体のパターン」を見直すことが大切です。

今日からできる工夫

ここからは、「やめないけど減らす」ための具体的な工夫を、飲む前・飲んでいる最中・飲んだ後の3つのタイミングに分けて整理します。

  • 前:「今日どれくらい飲むか」「何日休肝日にするか」を決めてから飲み始める
  • 中:水やお茶をはさみながら、アルコール度数や量をコントロールする
  • 後:翌朝の血圧チェックと体調メモで、「飲み方」と「血圧」の関係を見える化する

1. 飲む前に決めておきたいこと(前)

  • 週の「飲む日・飲まない日」をざっくり決めておく
    例:平日は月・水・金だけ飲む、土日はどちらか片方だけにする、など。
    「毎日なんとなく飲む」状態から、週単位でメリハリをつけるだけでも、トータル量は減らしやすくなります。
  • 1日あたりの上限を「ビール何杯分」などでイメージしておく
    厚労省の情報では、純アルコール量に基づいた目安が示されています。たとえば、一般的な中瓶ビール1本(500mL、アルコール度数5%前後)は純アルコール約20gに相当します。
    ただし、これはあくまで病気のない人向けの目安です。血圧が高い方や、他の病気・服薬がある方は、これより少なめを基準に主治医と相談してください。
  • 空腹で飲み始めない
    仕事終わりに「お腹ペコペコのままビール」という流れは、アルコールが一気に吸収されやすくなります。
    少量のたんぱく質や野菜を先に入れてから飲み始めると、酔い方も穏やかになり、つまみの選び方も落ち着きやすくなります。
    おつまみの選び方は、減塩の基本|外食・コンビニで“血圧にやさしい”選び方【薬剤師が解説】で詳しく解説しています。

2. 飲んでいる最中の工夫(中)

  • 「1杯飲んだら1杯は水・お茶」をセットにする
    アルコールと一緒に水分をとることで、酔いが急に深くなるのを防ぎやすくなり、飲むペースも自然と落ちます。結果として、トータルのアルコール量を減らしやすくなります。
  • 度数の低い飲み物・小さめのグラスを選ぶ
    同じ「1杯」でも、アルコール度数や量によって、体に入るアルコール量は大きく変わります。
    ビールやサワーなら少なめサイズ、ウイスキーや焼酎なら水割り・お湯割りにするなど、濃さを調整しましょう。
  • しょっぱいおつまみを「メイン」にしない
    枝豆・冷奴・サラダ・焼き鳥(タレより塩控えめ)などを中心にして、ポテトチップス・塩辛・漬物・ラーメンなどは「追加で少し」にとどめると、塩分とカロリーのダブル取り過ぎを避けやすくなります。
    具体的な選び方は、先ほどの減塩の基本|外食・コンビニで“血圧にやさしい”選び方も参考にしてください。

3. 飲んだ後〜翌朝のセルフケア(後)

今日から続けやすくするためのアイテム例
・上腕式家庭血圧計


 ┗ 飲酒日の翌朝の血圧を数字で確認できると、「どのくらい飲むと上がりやすいか」が見えやすくなります。
・飲酒量・休肝日・血圧を一緒に記録するためのノートやアプリ
 ┗ 「何をどれだけ飲んだか」と「翌朝の血圧」を並べてメモしておくと、主治医への相談材料にもなります。

※具体的な商品リンク(楽天市場・Yahoo!ショッピングなど)は、別記事「家庭血圧計の選び方」で紹介予定です。価格や在庫は日々変わる可能性があります。

選ぶときの要点:上腕式/見やすい表示/操作が簡単/メモ機能 or アプリ連携 →
比較表:家庭用血圧計の選び方(準備中)
チェックリスト(今日からできる習慣)
□ 飲む前に「今日何杯まで」「週の休肝日は何日か」を決めている
□ 「1杯飲んだら1杯は水・お茶」を意識している
□ しょっぱいおつまみやシメを「毎回の定番」にしていない
□ 飲んだ翌朝も、家庭血圧計で血圧をチェックしている
□ 飲まない日には、ウォーキングやストレッチなど「軽い運動」をセットにしている

よくある勘違いと注意点

  • (誤解1)「赤ワインは体に良いから、たくさん飲んでも大丈夫」
    一部の研究で「少量の飲酒」が心血管イベントのリスクと関連する可能性が示されたことがありますが、量が増えるほど健康リスクが高まる点は変わりません。銘柄や種類に関わらず、「飲み過ぎない」「量をコントロールする」ことが重要です。
  • (誤解2)「平日は飲まないから、休日にまとめて飲んでもOK」
    週のトータル量が同じでも、1回あたりの大量飲酒(いわゆる“ドカ飲み”)は血圧や心臓・脳への負担が大きくなります。休日だけの「一気飲み」は避け、できるだけ1回あたりの量を抑えることが大切です。
  • (誤解3)「ビールは水分補給になるから、多少多くても平気」
    アルコールには利尿作用があり、むしろ脱水を招きやすい側面があります。のどが渇いたときの水分補給は、あくまで水やお茶をメインにし、お酒は「楽しむための飲み物」として量を決めておきましょう。

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まとめ

まとめ
1)お酒は量と飲み方次第で、血圧への影響が大きく変わる。
2)「やめないけど減らす」ために、週の飲酒量・休肝日・翌朝の家庭血圧をセットで意識する。
3)高血圧や持病・服薬がある場合は、自己判断で飲酒や薬を調整せず、主治医と一緒に『自分に合った上限』を確認する。
完璧を目指すのではなく、「続けられる小さな減酒」を積み重ねていくことが、40代からの血圧ケアの第一歩です。

まず整えておきたいアイテム
1)上腕式家庭血圧計 — 「飲んだ日/飲まなかった日」の翌朝の数字を比べることで、自分の飲酒と血圧の関係をつかみやすくなります。


2)飲酒量・休肝日・血圧を一緒に記録できるノート or アプリ — 主治医への相談材料にもなり、減酒のモチベーション維持にも役立ちます。

※商品は一例です。ご自身の体調・生活スタイル・予算に合わせて比較・検討してください。

Q&A

Q1. どれくらいまでなら飲んでも大丈夫ですか?
(回答例)厚生労働省の情報では、純アルコール量にもとづいた「適度な飲酒」の目安が示されていますが、これは病気のない人向けの一般的な目安です。高血圧や持病・服薬がある方は、より少ない量でも負担になる可能性があります。家庭血圧の記録と体調を合わせて確認しながら、主治医と「自分にとっての上限」を相談するのが安全です。

Q2. 長年たくさん飲んできました。急にやめても大丈夫でしょうか?
(回答例)飲酒量が多い方が急に完全にやめると、場合によっては離脱症状(手の震え・不眠・発汗・不安感など)が出ることがあります。
強い依存が疑われる場合や、「やめようとすると体調が悪くなる」経験がある場合は、自己判断で一気にやめるのではなく、必ず医療機関に相談したうえで減酒・禁酒の計画を立てましょう。

出典

注意
本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、個別の診断・治療に代わるものではありません。
症状が続く・急激に悪化する場合や不安が強い場合は、自己判断で対応を続けず医療機関を受診してください。
商品・サービスの利用により得られる効果には個人差があります。
アルコールと相性の良くない薬(睡眠薬・一部の抗不安薬・糖尿病薬・痛み止めなど)もあります。飲酒の可否や量については、かかりつけ医・薬剤師にご相談ください。

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