まず結論
ストレスや睡眠不足が続くと、血圧は「じわじわ高め」になりやすく、朝のだるさや頭重感にもつながります。ただし、いきなり完璧なストレスケアを目指す必要はありません。
ストレスを「0か100」の白黒で考えるのではなく、「今日はストレスメーターが何割くらいか」を見るイメージで、少しだけオフを増やすことからで十分です。たとえば「今日は高めだから、寝る前30分だけスマホをやめて早めに布団に入る」くらいの微調整でも、立派な一歩です。
この記事では、40代以降の方が「仕事や家庭を続けながら」「がんばりすぎず」にできるストレス対策と、睡眠でリセットするためのコツを、薬剤師の立場から整理します。
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・ストレスは「血圧を一時的に上げる」だけでなく、睡眠の質を下げて慢性的な高め血圧にもつながる
・「ゼロストレス」を目指すのではなく、日中のがんばりすぎを減らす工夫+夜の睡眠リセットが現実的
・血圧が高めの時期は、家庭血圧の記録+ストレス・睡眠のメモをつけ、心配な場合は早めに医療機関へ相談を
なぜ起こる?
仕事や家庭の負担、将来への不安、人間関係などによるストレスは、自律神経(じりつしんけい)のバランスを乱しやすくなります。自律神経のうち、活動モードの交感神経が優位な状態が続くと、心拍数が増え、血管が収縮し、血圧は高めで安定しがちです。
また、ストレスが続くと「寝つきが悪い」「途中で目が覚める」「朝スッキリ起きられない」といった睡眠の質の低下が起こりやすくなります。睡眠不足や浅い眠りも、翌朝の血圧を押し上げる要因の一つとされています。
日本高血圧学会のガイドライン(JSH2025)でも、生活習慣として心理社会的ストレス・睡眠への配慮が重要とされています。さらに、厚生労働省や公的なメンタルヘルス情報サイトでも、ストレスと睡眠のセルフケアの重要性が繰り返し示されています。
体の中で何が?
ストレスがかかると、体内では次のような変化が起こります。
- 交感神経が優位になる:心拍数が増え、血管が収縮し、血圧が一時的に上がる。
- ストレスホルモン(コルチゾールなど)が増える:血糖値や血圧を押し上げる方向に働く。
- 夜もリラックスモードに切り替わりにくい:寝る前までスマホ・仕事モードだと、睡眠の質が低下し、翌朝の血圧も高めになりやすい。
本来、昼間は交感神経、夜はリラックスの副交感神経というように、1日の中でバランスを取っています。しかし、「昼も夜もずっとオン」の状態が続くと、血圧は下がるタイミングを失いやすくなります。
大切なのは、ストレスをゼロにすることではなく、「オンとオフの切り替え」を少しでも取り戻すことです。そのための具体的な工夫を、次の章で紹介します。
今日からできる工夫
ここでは、「前・中・後」の3つのタイミングに分けて、がんばりすぎないストレス対策+睡眠リセット術を整理します。すべてを一度にやる必要はありません。まずは1つだけ選んで試すイメージで読み進めてください。
- 前:1日のスタートで“がんばりすぎモード”にしすぎない
朝からフルアクセルで走り続けると、夜まで交感神経が休めません。次のような工夫を1つだけでも取り入れてみてください。
- 起きてすぐスマホやメールを開かず、1〜2分だけ深呼吸+伸びをする
- 朝食の時間だけはニュース・SNSを見ず、「味わう」ことに集中する
- 通勤中の電車では、難しいニュースよりも、音楽やラジオなど“少しゆるい”情報を選ぶ
- 中:日中のストレスを「こまめに放電」する
仕事中のイライラや焦りを、夜までため込むと睡眠の質も下がりがちです。1日を通して「小さな休憩」と「体を動かす」ことを意識しましょう。
- 60〜90分に1回、席を立って1〜2分だけ歩く(コピーを取りに行く、階段を1往復など)
- トイレに立ったタイミングで、肩回し・首のストレッチを3回ずつ行う
- イライラした出来事を、メモ帳やスマホに「事実だけ」書き出して、一度頭から出す
- 血圧が高めと言われている方は、昼〜夕方に家庭血圧を測るより、朝と寝る前を中心に(急に心配になって何度も測りすぎない)
- 後:夜の“リセット習慣”で、睡眠の質を底上げする
「今日はストレスが強かったな」と感じる日ほど、寝る前の30〜60分をどう過ごすかが大切です。
- 就寝の1時間前にはスマホ・PCの作業を終える(どうしても難しければ、最低30分前には終了)
- お風呂はぬるめ(38〜40℃)で10〜15分を目安にし、上がってから1〜2時間後に寝る
- ベッドの中での「明日の段取り会議」はやめ、気になる事は紙に書き出してから布団に入る
- 朝と寝る前の家庭血圧を、1~2週間だけでも記録してみる(ストレスの強い時期の変化を見える化)
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□ 朝いきなりスマホ・メールを見ず、1〜2分の深呼吸から始める
□ 日中に60〜90分に1回は席を立ち、「こまめな放電タイム」を作る
□ 寝る前30〜60分は、スマホ・PC作業を控えてゆるめの時間にする
□ 「頭の中の心配事」は紙に書き出してから布団に持ち込まない
□ 朝と寝る前の家庭血圧+その日のストレス・睡眠メモを1〜2週間つけてみる
よくある勘違いと注意点
- (誤解1)「ストレスさえ減れば、血圧は必ず正常に戻る」:ストレスは血圧に影響する重要な要素ですが、塩分・運動・飲酒・体重・遺伝など、他の要因も関わります。ストレス対策はあくまで「大事なピースの一つ」と考え、自己判断で薬を中断したりせず、主治医と一緒に方針を決めましょう。
- (誤解2)「ストレス解消のためなら、寝る直前の飲酒や夜更かしも仕方ない」:飲酒や夜更かしは一時的に気分が軽くなったように感じても、睡眠の質を下げ、翌朝の血圧を上げる方向に働きがちです。ストレス解消手段が「さらに血圧を押し上げていないか」を一度振り返ってみましょう。
- (誤解3)「ストレスや不眠を相談するほどではない」:長く続くストレスや睡眠の不調は、心の不調や生活習慣病のリスクとも関わります。職場の産業医・かかりつけ医・メンタルヘルスの相談窓口など、話せそうな場所があれば、早めに相談することも大切です。
・冬の血圧・睡眠セーフティ総まとめ|40代からの8つのチェックポイント【保存版】 — 冬場の血圧と睡眠を俯瞰して整理したいときに。
・血圧とお酒|40代からの“やめないけど減らす”飲み方ガイド — 「ストレス解消としてのお酒」との付き合い方を見直したい方に。
・血圧と運動|40代からの“きつくない”ウォーキング習慣と筋トレのコツ — ストレスケアも兼ねて、軽い運動習慣を取り入れたい方に。
まとめ
1)ストレスや睡眠不足は、交感神経を優位にし、血圧を「じわじわ高め」にしやすい。
2)1日の中でオン・オフを切り替える工夫(朝の深呼吸、日中のこまめな放電、寝る前のスマホオフなど)だけでも、体の負担を減らす一歩になる。
3)血圧が高めの時期は、家庭血圧+ストレス・睡眠メモをつけ、心配な場合は早めに医療機関へ相談する。
「ストレスをなくす」のではなく、「がんばりすぎない仕組み」を少しずつ増やしていくイメージで取り組んでみてください。
1)上腕式家庭血圧計 — 朝と寝る前の血圧を見える化し、「ストレスの強い時期」の変化にも気づきやすくなります。
※商品は一例です。ご自身の体調・家の構造・生活スタイル・予算に合わせて比較・検討してください。
Q&A
Q1. ストレスで血圧が一時的に上がるのは分かりますが、薬を飲み始めるほどかどうか不安です。
(回答例)ストレスで一時的に血圧が上がること自体は珍しくありませんが、朝の家庭血圧で135/85mmHg以上が続く場合は、高血圧として治療の対象になることがあります。薬を始めるかどうかは、年齢・他の病気・心血管リスクなどを総合的に見て判断されますので、自己判断で様子見を続けるより、一度主治医に相談し、家庭血圧の記録を見てもらうのがおすすめです。
Q2. ストレス対策も睡眠の見直しも、どれも続く気がしません…。何から始めれば?
(回答例)全部を一度に変えようとすると、かえってストレスになります。「いちばんハードルが低いもの」から1つだけ選ぶのがおすすめです。例:
・朝の深呼吸1〜2分だけを続ける
・寝る前30分だけスマホを触らない
・週末だけ家庭血圧と睡眠メモをつけてみる
小さな変化でも、数週間続けると「なんとなく調子が違うかも」という実感につながることがあります。
出典
- 日本高血圧学会, 高血圧治療ガイドライン2025(JSH2025)
- 厚生労働省, 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」ストレスへの対処
- 公益財団法人 長寿科学振興財団, 健康づくりのための睡眠指針2014~睡眠12箇条~
本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、個別の診断・治療に代わるものではありません。
症状が続く・急激に悪化する場合や不安が強い場合は、自己判断で対応を続けず医療機関を受診してください。
商品・サービスの利用により得られる効果には個人差があります。

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