まず結論
冬の夜は、「冷え」「夜間トイレ」「寝る前の習慣」が重なって、血圧と睡眠の両方に負担がかかりやすい季節です。寝室の室温を「寒さで目が覚めない範囲」に保ち、夜間頻尿と付き合いながら、寝る前1時間の過ごし方を整えることで、朝の血圧も安定しやすくなります。
・冬は「冷え+睡眠不足+夜間頻尿」が重なると、血圧が上がりやすくなる
・寝室の室温・光・音を整え、寝る前1時間のルーティンを決めると眠りやすくなる
・夜間トイレが増えた/血圧が大きく変動する場合は、早めの受診や相談も検討する
なぜ起こる?
冬は外気温が下がり、寝室やトイレも冷えやすくなります。寒さを感じると、体は「交感神経(からだを活動モードにする神経)」が優位になり、血管が縮んで血圧が上がりやすい状態になります。さらに、夜中に何度も目が覚めると、深い眠り(ノンレム睡眠)が分断され、翌朝の疲れやすさ・血圧の変動につながることがあります。
夜間頻尿(夜中に2回以上トイレで起きる状態)は、加齢や塩分・水分のとり方、内臓の病気、服薬の影響などさまざまな要因が関わります。「トイレのために起きる→冷えた廊下を歩く→再び布団に入る」という流れを何度も繰り返すと、血圧の上下も大きくなりやすいと考えられています。
体の中で何が?
人は暗くなると「メラトニン」というホルモンが分泌され、体温がゆっくり下がることで眠りに入りやすくなります。しかし、寝る直前まで強い光(スマホやPC)、カフェイン、アルコールなどの刺激が続くと、交感神経が休みモードに切り替わりにくくなり、寝つきの悪さや浅い眠りの原因になります。
また、睡眠不足や分断された睡眠が続くと、血圧をコントロールするホルモンや自律神経のバランスが乱れ、朝の血圧サージ(起床時の急上昇)が大きくなりやすいとされています。冬の夜は、冷え+夜間頻尿+寝る前の刺激が重なることで、血圧にも睡眠にもじわじわと負担をかけてしまうのです。
今日からできる工夫
ここでは、「寝る3時間前」「寝る1時間前」「夜中に目が覚めたとき」の3つに分けて、具体的な工夫をまとめます。すべてを完璧に行う必要はありません。自分に合いそうなものを1つだけ選んで今日から試すイメージで読んでみてください。
- 寝る3時間前まで:カフェイン(コーヒー・濃い緑茶・エナジードリンクなど)は控えめにし、アルコールは「量と時間」を意識する(深酒・寝酒は不眠や血圧変動の原因になります)。夕食は腹八分目を意識し、塩分の多いメニューが続かないようにする。
- 寝る1時間前:寝室の室温を「寒さで目が覚めない程度」(目安として16〜20℃程度)に整える。足元やお腹が冷えやすい人は、靴下や腹巻きなどで“からだを締め付けない”暖かさをプラス。スマホやPCはなるべくオフにして、ストレッチや読書など静かな時間をつくる。
- 夜中に目が覚めたとき:トイレに行きたければ我慢せずに行き、転倒を防ぐため足元の明かりをつける。戻ったあとは時計を見て「あと何時間眠れるか」を計算しすぎず、深呼吸を数回行ってから再び横になる。何日も続くようなら、日中の水分・塩分・薬の時間について、かかりつけ医に相談を。
・寝室用の時計や温度計
┗ 「何度くらいだと寒さで目が覚めないか」をつかむ目安になります。新しく買う必要はなく、手元にあるもので十分です。
・足元を温めるアイテム(厚手の靴下・レッグウォーマー・湯たんぽなど)
┗ からだを締め付けない範囲で、足先の冷えをやわらげると寝つきが良くなる人もいます。
※本記事では特定の商品リンクは紹介していません。ご自宅の環境や体質に合わせて、無理のない範囲で工夫してみてください。
「朝と就寝前の家庭血圧」を1〜2週間だけ記録しておくと、睡眠の質や夜間トイレの増減と血圧の関係が見えやすくなります。詳しい測り方は、以下の関連記事で図解しています。
□ 寝る3時間前以降のカフェイン・深酒を控えるよう意識した
□ 寝室の室温を「寒さで目が覚めない程度」まで整えた
□ 寝る前1時間はスマホ時間を短くし、静かな時間をつくった
□ 夜中に目が覚めた回数を、数日だけメモしてみた
□ 気になる日は「朝と就寝前の家庭血圧」と体調メモをセットで残した
よくある勘違いと注意点
- (誤解1)「眠れないからお酒を多めに飲めばよく眠れる」:寝酒は一時的に眠気を強くしますが、夜中に目が覚めやすくなり、睡眠の質を下げるとされています。血圧にも負担がかかるため、量と時間に注意が必要です。
- (誤解2)「夜間トイレは我慢した方が眠りが深くなる」:強い尿意を我慢すると、かえって眠れなくなったり、膀胱に負担がかかったりします。転倒に注意しつつ、行きたくなったら我慢しない方が安全です。
- (誤解3)「睡眠薬や降圧薬の時間を自分で変えれば解決する」:自己判断で薬の量や時間を変えると、眠気や血圧のコントロールが乱れる恐れがあります。気になる場合は、必ず主治医や薬剤師に相談してください。
・冬だけ血圧が高いのはなぜ?薬剤師が教えるJSH2025準拠の安全対策と正しい測り方 — 冬の血圧全体の「基準値」と考え方を整理したい方に。
・夜間頻尿の正しい向き合い方|水分の“時間割”と30分ウォーキングで睡眠を守る — 夜中のトイレが気になる方はこちらもセットで。
・冬の血圧が高い理由は“測り方”にあった!薬剤師が教えるJSH2025準拠の家庭血圧の測り方 — 朝と就寝前の家庭血圧のつけ方を詳しく知りたい方向け。
まとめ
2)寝る3時間前からのカフェイン・アルコール、寝室の室温、寝る前1時間の過ごし方を整えることで、眠りやすさと朝の血圧の安定につながりやすい。
3)夜間トイレの回数が急に増えた/眠れない日が続く/血圧が大きく変動する場合は、自己判断を続けず、早めに医療者へ相談する。
1)寝る3時間前以降のカフェインと深酒は控えめにする。
2)寝室の室温を「寒さで目が覚めない程度」に整え、足元の冷え対策をする。
3)寝る前1時間はスマホよりも“ゆるやかな時間”を増やす。
※すべてを完璧に行う必要はありません。まずは「できそうなものを1つだけ」選んで、今夜から試してみてください。
Q&A
Q1. 夜間にトイレで起きるのは何回くらいまで様子を見てよい?
(回答例)一般には「0〜1回程度」であれば年齢によってはよくみられますが、2回以上が続く/急に回数が増えた/日中も強い眠気がある場合は、一度医療機関で相談することをおすすめします。
Q2. 寝る前の血圧が少し高いとき、自己判断で降圧薬を追加してもいい?
(回答例)自己判断で薬の量を増やすと、夜間や翌朝に血圧が下がりすぎる危険があります。家庭血圧と体調メモを数日分持参し、必ず主治医に相談したうえで薬の量や飲む時間を調整してもらいましょう。
出典
本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、個別の診断・治療に代わるものではありません。
症状が続く・急激に悪化する場合や不安が強い場合は、自己判断で対応を続けず医療機関を受診してください。
商品・サービスの利用により得られる効果には個人差があります。

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